みなさん、こんにちは。連載も7回目になりました。私の体験や他のLGBTの方へのインタビューを通じて、オランダがLGBTにとってどんな国か、少しイメージがわいてきたでしょうか? 8月には『プライド・アムステルダム』も開催されます! オランダに少しでも興味がある方はぜひ一度、オランダに来てみてくださいね。

今回は、私のカミングアウトのお話しをさせていただきたいと思います。今年41歳になった私ですが、実は父親へのカミングアウトは4年ほど前なんです。その時はすでに、妻とワシントンDCで結婚したあと。さらに、カミングアウトのきっかけは妊娠でした。私としては、以下の理由で、父はすでに私がレズビアンであることを察しているはずだ、と考えていたのです。
(1) 彼氏を実家に連れていったことがない(というより、そんな影が一度もない)。
(2) 彼氏の話しすら、出ない(彼女を彼氏に置き換えてボロが出ることを恐れ、その話しは徹底的に排除)。質問もされない。
(3) 実家に住んでいたころ付き合っていた彼女はほぼ毎週遊びに来たり、泊まっていったりしていた(かなり大胆な行動)。
(4) ベネッサ(妻)と一緒にオランダに住んでいることは知っていた(これでも分からないはずがないだろう)。

そういうわけで、私としては妻に対して、こんな説明をしていました。「知らないはずがない。日本人(韓国籍だけど)だから、こういう話しは面と向かってするんじゃなくて、なんとなく察して、暗黙の了解程度でいいんだよ」と。それに対し妻は、「そんなのおかしい。私まで隠される存在なのは納得いかん」と、妊活をきっかけに、父へのカミングアウトが正式にされていないことについての小競り合いが増えました。私もどこかで「ちゃんと言わなきゃ」という気持ちはあったものの、父にどういう反応をされるのかが怖く、どちらかと言えば今までの、触れず・語らず、の関係を望んでいたのです。今まで通り、見ざる、言わず、聞かざるでいいじゃん……と考えていました。

さて、いよいよ妊娠(結果としてこの時の妊娠は流産に終わるのですが)。ここで私は決意します。「私はレズビアン(もしかしたら父にしてみれば、バッドニュース)」と、「なんと、お父さんに孫がもう一人できるんだよ!(おめでたいニュースのはず)」という、攪乱作戦。覚悟をして電話をかけました。おそらく、30秒程度の短い会話だったと記憶しています。

父にカミングアウトするきっかけとなった、初めての妊娠反応。

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