●パレード、闘病、仲間たち

宇佐美翔子さんと岡田実穂さんは、2011年に交際をスタートしました。今年で8年目。宇佐美さんは、2014年に故郷、青森に岡田さんとともに戻りました。

「母が亡くなって、身寄りがなく、天涯孤独になりました。岡田というパートナーがいて、一緒に生きていくということになりました。同性婚ができないのは前もってわかっていたけれども、なぜできないのかについて、なかなか、本当のところが見えないままでした。実際に婚姻届を出して見たら、受け取れない理由がはっきりわかると思って、2014年、2015年の2回、二人で青森市役所に婚姻届を提出しました」

[参考動画]
★YouTuberかずえちゃん(2019.6.7公開)
『余命宣告を受けたレズビアンカップル。「結婚って何だろう?」』
 https://www.youtube.com/watch?v=nFEqrNJsdSk

隊列が青森県庁前に差し掛かると、宇佐美さんが語り始めた。

パレードの隊列が県庁前に差し掛かったとき、宇佐美さんが参加者に向け、マイクを握って語り出しました。

「去年ここで私は、癌の告知をされたとみんなに言ったんです。それで、その後、手術したんです。みんなの前で、元気にまたここに立てて嬉しいなって言う予定でした。でもさー、4日前に癌再発と言われました。だけど、悔しいけど〜(涙)。(隊列からのガンバレー、ガンバレーコール)。

今年もここでみんなに言うのは、どの地域に住んでいても、同性パートナーが病院で大変なとき、災害のとき、緊急時に、ちゃんと同性のパートナーが呼ばれる、緊急連絡先として、ちゃんとシステムができるようになってほしいと思っているからです。厚労省からはもう、同性のパートナーでも、ちゃんと手術について、治療方針について、聞くことができるという通知が出たけれども、現実的には病院の先生によって、さじ加減によって、聞いてくれる病院と聞いてくれない病院があります。そういう格差をなくそうと思って、今年も活動しようと思っているから、私は今日もまた、癌の報告をしなければならなかったのですけど。

みんなもいろんなこと、人生にはあるけど、どうか一緒に生きていきましょう。理解が進んでないとか、まだ早いとか言っている間に、何世代の寿命が終わればいいんですか? 理解が進まないうちに亡くなっていった先輩たちもたくさんいます。もう待てません。私たちはここにいます。1日も早く、LGBTの人たちが当たり前の権利を手にできるそんな社会になるように、みんな、各地それぞれに帰っても、頑張りましょう。青森レインボーパレー2019」

[参考動画]
★noxxx710(2019.7.3公開)
「青森レインボーパレード2019 - 2019.6.30 青森市」
 https://www.youtube.com/watch?v=6Si3oC03hcQ&t=17s

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