●地方都市の現状

1日だけオープンしてくれた老舗ゲイバー「サージェント」の節男さん(左)と筆者。

この3年ほど、パレードの時に青森駅周辺を見て感じるのは、歩く人の少なさです。この10年で青森市の人口は、24,000人ほど減少しているといいます。青森パレードに参加した際にはいつも訪問していた老舗ゲイバー「サージェント」に今回も行こうと思っていたのですが、昨年12月で閉店したと知り愕然。岡田さんを通して連絡してもらったら、嬉しいことに1日だけオープンしていただくことができました。パレード参加者12人くらいと一緒にお邪魔し、楽しい時を過ごしました。マスターの節男さんは、今年75歳。29歳の時に店をオープンしたので、昨年45周年だったそうです。

青森だけではないけれども、地方都市では、ゲイバーの閉店、ミックス化、観光化が続いているなど変化の時になっているようです。「KOMPANO(コンパーノ)」もゲイ向けと観光バーの2店舗を営業しているといいます。

青森のゲイバー「KOMPANO」の皆さん。

今回の訪問でも、青森在住のゲイ男性の知人数人と会ったりしました。30代の知人は、転職をきっかけとして青森を出るのだといいます。親に相談したら、「行ってこい」と言ってくれたのだそうです。また、別の40代後半のゲイ男性は、現職に満足しているわけではないけれど、年齢が高くなると転職はかなり難しいと語ってくれました。東京に住む者には実感できない経済的な厳しさがあるようです。

パレードの中で、宇佐美さんは、
「苦しいことも、悲しいことも、楽しいことも、みんなで抱きとめて一緒に歩いていきましょう。LGBTだけじゃなく、障害がある人、引きこもりの人、精神疾患のある人、一人親の人、生活困窮の中にある人、様々な困難を抱えながら、この青森で踏ん張って生きています。そうした人たちが支え合えるように、青森レインボーパレードは、みんなで一緒に歩いています」

「故郷を帰れる街にしたい」を掲げた宇佐美翔子さんと岡田実穂さんのアクションは青森に戻るかどうかを考えている人にも、青森に縁あって移住する人にも多くの安心をもたらしているに違いありません。そして、新たに共同代表になった20代のツッキーさん、本当にお疲れ様でした。

「青森レインボーパレード」の共同代表の宇佐美さん(左)、ツッキーさん(中)、岡田さん。

■参加者スナップ写真

アフターパーティーでも活躍した若きダンサーたち。

 

 

 

思い思いのプラカードを掲げる参加者たち。

保険の総合代理店「R&C株式会社」の方々。

石川大我さん。

LUSHの皆さん。

■『青森レインボーパレード2019』
日時:2019年6月30日(日)13:30出発(13:00集合)
テーマ:「おなじ空の下 You are not alone.」
参加者:208人
公式Facebook:https://www.facebook.com/AomoriRainbow/
公式Twitter:https://twitter.com/rainbowaomori

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